実車 ZIL-130 の記録
このゲームの主役は架空のトラックではありません。1956年に試作され、半世紀にわたってソ連とロシアの物流を支えた実在の車です。
01ZIL-130 とは
ZIL-130 は、モスクワの ZIL(リハチョフ記念自動車工場)が製造した5〜6トン積みクラスのトラックです。先代 ZIL-164 の後継として開発され、1956年に最初の試作車が完成、1962年に生産が始まり、1964年から量産に入りました。
エンジンは 6.0L の V8、変速機は5速マニュアルです。丸みのあるキャブと横に広いフロントガラスが特徴で、1977年以降のモデルではラジエーターまわりが変更されています。
02主要諸元
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 生産期間 | 1962–2012年(モスクワ工場は1962–1994年) |
| 量産開始 | 1964年 |
| 累計生産台数 | 1994年までに338万台 |
| クラス | 5〜6トン積みトラック |
| エンジン | 6.0L V8(ZIL-130型) |
| 変速機 | 5速マニュアル |
| 全長 | 6675mm |
| 全幅 | 2500mm |
| 全高 | 2400mm |
| ホイールベース | 3800mm |
| 車両重量 | 4300kg |
03生産の歴史
スターリン批判後の1960年代初頭、ZIL は ZIL-164 の後継車の開発を進めていました。新しい V8 エンジンと補強されたフレームを持ち、ホイールベースは先代より短くなっています。1964年に ZIL-130 の名で量産が始まると、ZIL-164 はほどなく生産を終えました。
1965年には6輪駆動の軍用版 ZIL-131 が、続いて3軸版の ZIL-133 が登場します。どちらも ZIL-130 を基礎にした派生車です。1986年には型番制度の変更により ZIL-431410 などの番号が与えられ、同年には後継の ZIL-4331 も登場しましたが、ZIL-130 の生産は続きました。
ソビエト連邦の崩壊後も生産は継続し、1995年に設計図と治具が UamZ(ウラル自動車工場)へ売却されます。そこでは ZIL-131 のキャブを載せた UamZ-43140 として、2012年まで生産が続きました。
04338万台という数字
1994年までの累計生産台数は338万台。ソ連とロシアでもっとも多く作られた貨物トラックのひとつで、消防車、ダンプ、牽引車、給油車など、あらゆる用途に使われました。
この数字は、ゲームが「1台のトラックを大事に運転する」構造を取る理由にも通じます。ありふれた車だからこそ、1台ごとの傷と修理が物語になる、という見方もできます。
05ゲームと実車の食い違い
配信ページは、このゲームに登場する ZIL-130 を「1964–1994年に生産されたトラック」と説明しています。一方で Wikipedia は生産期間を1962–2012年としており、モスクワ工場での生産終了が1994年、その後の UamZ での生産が2012年まで続いた、という整理です。
つまり「1964–1994年」は量産開始からモスクワ工場の終了までを指した表記で、厳密には試作・生産開始(1962年)と国外工場での継続(2012年)が抜けています。ゲーム内のモデルがどの年式を再現しているかは公開されていません。
06名前の読み方
ЗИЛ-130 はキリル文字で、ラテン文字では ZIL-130 と書きます。日本語では「ジル130」と読みます。ЗИЛ は工場名(Завод имени Лихачёва、リハチョフ記念工場)の頭文字です。
ゲームのタイトルにある「Russian Car Driver」は、ロシアの車を運転する、という意味のシリーズ名で、ZIL-130 はその題材になった車種名です。
総重量を計算する(実車の公表値ベース)
この計算は、Wikipedia に記載された実車 ZIL-130 の車両重量 4300kg と、5〜6トン積みクラスという公表値だけを使っています。ゲーム内の積載重量・燃料・荷台の重さは公開されていないため、ゲームの数値ではありません。
総重量(車両重量4300kg+積載量)
| 積載量 | 総重量(車両重量4300kg+積載量) |
|---|---|
| 0 t | 4300 kg |
| 5 t | 9300 kg |
| 6 t | 10300 kg |
| 8 t | 12300 kg |